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白山高山植物園

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高山植物育成の最終段階は苗を露地に下ろす作業です。

移植先は西山山頂直下、標高約800メートルの白山を望む絶好の地を選びました。

しかし、ここは昭和のパイロット事業(養蚕)で雑木を切り開き、その後放置され、ハゲ山となった場所でした。

石川県環境部の西山地区を調査した報告書(1994)には「樹木が少なく保水能力も低いことから、地区内での水資源の量はごく限られたものになっている」「パイロット事業によって地表が人工改変されており、その後放置され、表流水によって侵食されたものと推測される…。植物にとって有効な土壌層がほとんどない」と記載されています。

事実、白峰では「西山はなんも育たんとこや」と言われていました。

試験開始前1997年の西山の様子 禿山だった1997年の西山

試験開始前、1997年5月の西山の風景です。


このような場所に果たして高山植物は育つのだろうか?

ここに露地移植をしようと決めたメンバー自身もはじめは疑心暗鬼でした。

もう少し環境の良い場所はないのか。ここではせっかく育てたものが全滅するのではないか。そんな意見があったことも事実です。

しかし、人工的に栽培された高山植物が、低地の自然状態で、かつ過酷と思われる環境の中でどのように育つのか。
研究の応用的な活用(自然災害や人為的なによって喪失した植生の復元など)を目指すためにもどうしても行わなければならないことでした。

結果は、驚くべきことに、多くの高山植物が活着。そして現在7600㎡の山腹に約50種類10万株の白山の高山植物が育つまでになりました。


ニッコウキスゲ群落お花畑大草原

もちろん、ここまでには数々の失敗があります。

環境が環境なので、移植しても育たない植物、思うように成長しない植物も多数あります。しかしながら、野生植物のたくましさ、もともと過酷な地で生きる白山の高山植物の生命力の強さ、そして何よりその可憐さには心を深く動かされます。

2008年6月、はじめてこの移植先を「西山高山植物馴化試験地」として二日間の日程で一般公開いたしました。あいにくの雨、遊歩道もないぬかるんだ道にもかかわらず1000人を超える市民の皆様が訪れてくれました。


訪れた方々からは、

「白山のお花畑をこんな場所で見られるなんて」

「白山にはもう登れないから来た。またお花畑を見ることができて嬉しい」

「よくここまで育てた」

「絶滅危惧種を含め保全していることは意義深い」

「市民の財産として大切にしてほしい」

など多数の感嘆と感激の声が寄せられました。

北國新聞記事080622

北國新聞2008年6月22日朝刊
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この想像以上の反響に励まされ、公開後は試験地を段階的に拡大。新たに手づくりの遊歩道も整備し、より多くの市民の方々にご覧いただけるよう体制を整えました。

それに伴い、「西山高山植物馴化試験地」の名称を2010年には「白山高山植物園」に変更。親しみやすく、覚えやすくすることで、多くの市民の皆様にこの事業の存在を知っていただくように致しました。

今年も6月中旬から7月初旬にかけて、日程は限定的ですが一般公開を行います。将来的にはフルオープンすることが望ましいのですが、今はまだ研究の途上であり、その段階には至っていません。

ですが、また今シーズンも多くの方々が

「今年も来たよ!」

と元気に登山道を上がってきてくださることを心からお待ち申し上げております。

そして、白山の高山植物を守ることが、私たちの暮らしの基盤を守ることであるとあるという認識のもと、今度は市民の皆様と一緒にこの白山高山植物園を育てていけたなら、これ以上の喜びはありません。

お花畑大草原

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