2013年9月アーカイブ

先々週、一輪ほころび始めたリュウノウギク。白山高山植物園では、ノコンギク、ゴマナ、イワギクに混ざってリュウノウギクが咲いていました。葉っぱをこすると竜脳(中国から伝わった、リュウノウジュからとれる精油)の香りがするとか。石川県では準絶滅危惧種に指定されています。09241.jpgアサギリソウも黄色い花が見えました。別名ハクサンヨモギ。そういえば、ヨモギの花に似ています。こちらも準絶滅危惧種。いずれも園芸採取や道路工事など人的要因が、絶滅の危険性の一因。09243.jpgこちらは、エゾリンドウ。白山に咲くオヤマリンドウとの違いは、花が頂部だけではなく、上部の葉腋にもついて開くことです。09242.jpg白山には、オヤマリンドウやミヤマリンドウを始め、いずれも絶滅危惧Ⅰ類のコヒナリンドウ、タカネセンブリ、絶滅危惧Ⅱ類のハナイカリなどリンドウ科の植物もたくさん生育しています。

絶滅の危機に瀕している植物たちを始め、白山を彩る高山植物の種を繋ぐ地道な活動が続きます。   

注)コヒナリンドウは、1995年に白井伸和氏によって白山で初めて発見されました。                 『高山に咲く植物』 清水建美著より

 

今月初旬、白井さんの指導で播いたニッコウキスゲ。四角い育苗箱50枚に播きました。昨日は、仲秋の名月。月の光を浴びたわけではないけれども、すくすくと育っています。

09202.jpg今日は、ハナチダケサシを育苗箱からポットアップする作業です。同じ日に播いても、小さいものや大きく威張ったものなど千差万別。そんな小さな苗たちを一つずつ、小さなポットに植えていきます。小さく細い根が絡まって、とても神経を使います。09201.jpgハナチダケサシは、ユキノシタ科。アカショウマと良く似ていますが、花が密につき花序の下部の枝が円錐状になります。

少しずつ大きなポットに植え替えて、白山高山植物園を彩ります。       09203.jpg

今日は、立春から数えて二百二十日。青空の向こうに三ノ峰が姿を見せてくれました。植物園の上部、岩と砂礫の中にツメレンゲが植えられています。石川県では準絶滅危惧種に選定されているそうですが、ベンケイソウ科の他の植物同様、肉厚の葉は、少々水が不足しても大丈夫よと言っているみたいです。そして、イワギクに続いて、リュウノウギクがやっと一輪開き始めました。次回をお楽しみに!09111.jpg温室の外では、寒冷紗に守られて植物たちがポットの中で花を咲かせています。今夏白山へ行きそびれ、大好きなハクサンイチゲはここで見る事が出来ました。そして、ミツバフウロ。こちらも準絶滅危惧種だそうで、生育地が限られ、個体数も少ないとか。ちょっとゲンノショウコに似ていますが、違うのは、ゲンノショウコのように毛深くない事でしょうか。

09112.jpg見本園では、高山植物より大きく雑草が繁ります。よく見ると可愛らしい花々ですが、種を飛ばす前に抜き取りましょう。高山植物たちが大きく育つように・・・。ミツバフウロ・ミヤマキンバイ・アカバナ・ミヤマダイモンジソウ・モミジカラマツ・ウメバチソウ・ノコンギク・ハクサンイチゲ・タテヤマウツボグサなどが、まだまだ小さな花をつけています。

二百十日の台風は、温帯低気圧になって、日本列島に大雨を降らせています。手取川は昨日の濁流から元に戻っていました。高山植物園のハクサンタイゲキは花が終わり、錦の衣に衣装替え。朝方までの雨の滴が、色づいた葉っぱにぷちんと乗っかっています。  トウダイグサ科

09052.jpgクサボタンは、花も種も芸術です。 キンポウゲ科  キンポウゲ科の植物は美人揃い・・・

09053.jpgイモリ池では、アキアカネの恋の季節。ニッコウキスゲは、熟した種がこぼれていました。生き物たちは、やがて来る季節を前にいのちを繋ぎます。09051.jpg

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